みなさま、屋根や外壁の塗装を検討されたときに【ラジカル制御】【ラジカル制御型塗料】という言葉を耳にしたり、目にしたことはありますか?近年、技術の発展により塗料も進化を遂げ、以前より耐久性の高いものが増えてきました。その中で、約9年ほど前に開発されたのがラジカル制御型塗料です。
屋根や外壁を塗装するにあたり、そもそも【ラジカル制御とはなにか?】【ラジカル制御型塗料のグレードとは?】
【ラジカル制御型塗料のデメリット】という3つのテーマでみなさまにより分かりやすく、解説していきたいと思います。
ラジカル制御とはなにか?
ラジカル制御というものは、【ラジカルを制御する】ことです。まずはこのラジカルからご説明していきます。
- ラジカルとは?
- 塗料というものは基本的に【顔料】と【樹脂】の2つで構成されています。まず、顔料というものは簡単に言うと
色の元のことです。樹脂というのは耐久性をもたせるもののことで、よく聞くアクリル塗料やウレタン塗料・シリコン
塗料・フッ素塗料もこの樹脂のことを言います。
そして、顔料には酸化チタンという成分が含まれております。酸化チタンは主に白の顔料として使われますが、
屋根や外壁を塗装した際に、この酸化チタンが紫外線や水などに当たると【ラジカル】が発生し、塗料の樹脂を
破壊する性質を持っています。つまり、ラジカルが発生する=劣化することに繋がります。
外壁塗装の劣化サインとしてよく言われる【チョーキング現象】はラジカルが発生しているということです。 - ラジカル制御の成分
- ラジカルを制御してくれるラジカル制御塗料には、主に【高耐候酸化チタン】と【光安定剤(HALS)】が配合されています。
まず高耐候酸化チタンというのは、酸化チタンの上にラジカルバリアというバリアー層を作って、ラジカルの発生を抑えています。
次に光安定剤(HALS)には、ラジカルバリアから漏れ出して発生したラジカルを抑制する働きを持っています。
この2つの成分によってラジカルの発生を抑え、屋根や外壁を塗装した後の劣化を防いでいます。
ラジカル制御型塗料のグレードとは?
現在、市販で販売されている塗料の中で、主にアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料とグレード分けされることがあります。特に塗料市場で主流だったシリコン塗料に対し、大手塗料メーカーが開発したラジカル制御型塗料はグレードの低いアクリル樹脂がベースで、【シリコン塗料以上の耐候性の持った塗料】としてシリコン以上フッ素未満の位置を築きました。
ですが、ラジカル制御型塗料は樹脂のベースが、シリコンでもフッ素でもラジカル制御の成分を配合すれば全て【ラジカル制御型塗料】になりますので、一概にシリコン以上フッ素未満というわけではありませんのでご注意ください。
ラジカル制御型塗料のデメリット
技術の発展により、素晴らしい塗料が出てきたわけですが、実はデメリットも無いわけではありません。ここで2つのデメリットをご紹介します。
- 濃い色にはできない
- ラジカル制御が発揮する機能は、白の顔料に対して発揮されます。黒など濃い色にはラジカルが発生しないので、重厚感のあるカラーに塗装したい方は、ラジカル制御型塗料にこだわらず、樹脂のグレードで選ぶほうが良いでしょう。
- 最新の塗料であるため、実績が少ない
- ラジカル制御型塗料は、耐用年数が12~15年と言われていますが、発売(塗装)されてからまだ10年も経過していないお家がほとんどだと思います。なので、正しい耐用年数を証明するのは難しいのです。
まとめ
屋根や外壁の塗装を検討されるにあたり、ラジカル制御型塗料はとても素晴らしい技術であるとともに、メリット・デメリットがあります。また、近年では各メーカーが様々なラジカル制御型塗料を発売しておりますので、間違った塗料選びをしないよう納得・満足のいくような屋根・外壁塗装にしていきましょう!
ではまた!